○日置市消防救急業務規程
平成17年10月11日
消防本部訓令第13号
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号)に基づく救急業務の実施について、必要な事項を定め、もってその能率的運営を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この訓令において「救急業務」とは、消防法第2条第9項の救急業務をいう。
(救急隊の編成)
第3条 救急隊は、救急自動車及び救急隊員(以下「隊員」という。)3人以上をもって編成する。
2 救急隊に隊長を置き、消防士長以上の階級にある者をもって充てる。
(隊員の資格)
第4条 隊員は、次の各号のいずれかに該当する消防職員でなければならない。
(1) 救急業務に関する講習で総務省令で定めるものの課程を修了した者
(2) 救急業務に関し前号に掲げる者と同等以上の学識経験を有する者として総務省令で定める者
2 消防署長(以下「署長」という。)は、救急業務に支障を生じない措置として隊員の一時的な欠員を補充するため、予備の隊員を指定しておくものとする。
(隊員の選任)
第5条 署長は、前条第1項各号の資格要件に基づき、隊員を選任するものとする。
(隊長の任務)
第6条 隊長は、救急現場の状況を的確に把握するとともに、隊員を指揮監督し、適正な救急活動に当たるものとする。
(隊員の任務)
第7条 隊員は、隊長を補佐し、円滑な救急業務を行うものとする。
(隊員の服装)
第8条 隊員は、救急業務に従事する場合は、救急服及び救急保安帽を着用するものとする。
(隊員の心得)
第9条 隊員は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 救急業務の特質性を自覚し、常に身体及び服装の清潔に留意すること。
(2) 救急業務に関する法令の規定を遵守すること。
(3) 救急業務の重要性を自覚し、救急技術の練磨向上に努めること。
(4) 傷病者の取扱いに当たっては、懇切丁寧を旨とし、傷病者に羞恥又は不快の念を抱かせないよう言動に注意すること。
(5) 業務上知り得た傷病者の秘密をみだりに漏らさないこと。
(6) 応急処置の実施に際し、過誤のないよう特に留意すること。
(7) 救急器材の保全に努めるとともに、その使用については、適正を期すること。
(救急器材)
第10条 救急自動車には、応急救護に必要な資器材を装備するものとする。
2 前項の資器材は、救急業務を円滑に行うため、毎日点検を実施し、機能の保持に努めるものとする。
(出場)
第11条 署長は、救急出場の要請を受けた場合、災害により傷病者の発生が予測される場合又は救急事故が発生したことを確認した場合は、直ちに救急隊を出場させなければならない。
(出場区域)
第12条 救急隊の出場区域は、日置市内全域とする。
2 管轄区域外出場については、消防長又は署長が特に必要と認める場合に限り、出場させるものとする。
(出場不能)
第13条 隊長は、救急自動車が故障又は出場不能の状態になったときは、直ちに他の救急自動車の出場を命ずる等臨機応変の措置を講ずるとともに、その結果を上司に報告しなければならない。
(出場中の事故)
第14条 隊長は、出場中交通事故、車両故障等の理由により救急業務の遂行が不能になったときは、直ちにその概要を上司に報告しなければならない。
(現場指揮)
第15条 現場における救急業務の指揮は、隊長が行う。ただし、救急隊が2隊以上同一場所に出場する場合の指揮は、先着した救急隊の隊長が行うものとする。
(搬送の原則)
第16条 救急隊は、救急事故現場へ到着したときは、直ちに傷病者の状態を把握し、必要な措置を講じた後、傷病の部位及び程度、関係者の意見等から判断して傷病の治療に最も適合した最寄りの救急病院等の医療機関へ傷病者を搬送するものとする。
(搬送を拒んだ者の取扱い)
第17条 救急隊は、救急業務の実施に際し、傷病者又はその関係者が搬送を拒んだ場合には、これを搬送しないものとし、当事者の氏名等を活動票等に記録しておくものとする。
(医師の要請)
第18条 救急隊は、次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに救急現場に医師を要請するとともに、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(1) 傷病者を搬送することが傷病の程度を悪化させ、又は生命に重大な影響を及ぼすと認められる場合
(2) 傷病者の状態からみて、搬送可否の判断が困難な場合
(3) 傷病者の救助に当たり医療を必要とする場合
(4) 集団災害等で多数の負傷者が発生し、医療を必要とする場合
(転院搬送)
第19条 救急隊は、現に医療機関にある傷病者を高度な医療機関に緊急に搬送する必要があるときは、原則として搬送元の医療機関の医師又は看護師を同乗させなければならない。
(死亡者の取扱い)
第20条 救急隊は、傷病者が明らかに死亡している場合又は医師が死亡していると診断した場合は、当該傷病者を搬送しないものとする。
(感染症患者等の取扱い)
第21条 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条の1類感染症、2類感染症、指定感染症又は新感染症(以下「特殊感染症」という。)に感染した傷病者は、衛生関係機関に通報し、これを搬送しないものとする。
2 傷病者搬送後、特殊感染症に感染し、又はその疑いのある傷病者と判明したときは、隊員及び救急自動車等の汚染に留意し、直ちに所定の消毒を行い、この旨を署長等に報告するとともに、当該傷病者に対する医師の診断結果を確認し、所要の措置を講ずるものとする。
(要保護者の取扱い)
第22条 隊長は、傷病者が生活保護法(昭和25年法律第144号)及び行旅病人及行旅死亡人取扱法(明治32年法律第93号)に定める要保護者、被保護者又は被救護者であると判明したときは、その旨を署長に報告しなければならない。
2 前項の場合において、隊長は、福祉事務を担当する機関に通知するとともに、その旨を収容医療機関等へ連絡するものとする。
(救急現場付近にある者への協力要請)
第23条 救急現場において、救急活動上緊急の必要があると認められる場合は、付近にある者に対し、協力を求めることができるものとする。
(関係者の同乗)
第24条 隊長は、救急業務の実施に際し傷病者の関係者又は警察官が同乗を求めたときは、努めてこれに応ずるものとする。
(関係機関への通報)
第25条 隊長は、傷病の原因に犯罪の疑いがあると認められる場合又は自損行為、交通事故等で警察官が現場にいない場合は、速やかにその旨を所轄警察署長に通報しなければならない。
(現場保存)
第26条 救急隊は、傷病の原因に犯罪の疑いがあるもの、自損行為、交通事故等に出場した場合は、証拠の保全に留意し、警察官に協力するものとする。
(家族等への連絡)
第27条 隊長は、傷病者の状況により必要があると認めるときは、傷病者の家族等に対し救急搬送したことを連絡するよう努めるものとする。
(救急報告)
第28条 隊長は、救急業務を完了し帰署したときは、直ちに必要事項を署長に報告するとともに、救急出場報告書を提出しなければならない。
2 隊長は、救急事故が次の各号のいずれかに該当する場合は、救急速報に基づき速やかに署長に報告するとともに、3日以内に救急詳報を提出しなければならない。
(1) 傷病者及び死者の合計が15人以上の事故
(2) 死者5人以上の事故
(3) その他特異な事故
3 署長は、前項の救急事故の報告を受けたときは、速やかに消防長に報告しなければならない。
(報告要領)
第29条 救急業務の報告要領については、この訓令に定めるもののほか、救急事故等報告要領の全部改正について(昭和57年消防救第53号消防庁長官通達)による。
(救急月報)
第30条 署長は、毎月の救急業務の処理状況を救急月報により、翌月5日までに消防長に報告しなければならない。
(医療機関との連携)
第31条 署長は、救急業務の実施について、救急病院等の医療機関と常に緊密な連携を図り、救急業務を円滑に遂行するように努めなければならない。
(隊員の訓練)
第32条 署長は、隊員及び予備の隊員に対して救急業務に必要な知識及び技能を習得させ、又は向上させるため、教育訓練を実施しなければならない。
(救急業務計画)
第33条 消防長は、特殊な救急事故の発生した場合における救急業務の実施についての計画を作成しておくものとする。
2 消防長は、毎年1回以上前項の計画に基づく訓練を実施するものとする。
(救急検討会)
第34条 消防長又は署長は、隊員が救急業務を行うために必要な知識及び技術向上のため、特定行為又は特異事故の救急事例を対象とした救急検討会を定期的に開くものとする。
(非番等の隊員の待機、出場等)
第35条 署長は、災害又は傷病者の状況により特に必要と認めるときは、非番若しくは週休の隊員を待機させ、これに出場を命じ、又は上司の許可を得て隊員以外の職員を隊員として救急業務に従事させることができる。
2 前項の規定により署長から出場を命じられた者は、現場の指揮下に入るものとする。
(救急自動車以外の自動車の使用)
第36条 隊長は、特に必要と認めるときは、上司の許可を得て、救急自動車以外の自動車を救急業務のために使用することができる。
(救急自動車の消毒)
第37条 救急自動車及び救急資器材は、次に定める区分に従い、消毒を行わなければならない。
(1) 定期消毒 毎月1回定期的に行う消毒
(2) 使用後消毒 使用後必要に応じて行う消毒
2 前項の消毒を実施したときは、消毒実施表に該当事項を記入し、救急自動車の見やすい位置に表示しなければならない。
(その他)
第38条 この訓令に定めるもののほか必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
この訓令は、平成17年10月11日から施行する。
附則(平成20年3月31日消防本部訓令第5号)
この訓令は、平成20年4月1日から施行する。